
VetAsisは、診察中の獣医師と飼い主の会話をリアルタイムに記録し、SOAP形式(Subjective/Objective/Assessment/Plan)で自動要約することで、診療後のカルテ作成業務の効率化を支援します。
Joy with Paws合同会社(本社:東京都世田谷区、代表:斎藤 功平、以下「Joy with Paws」)は、動物病院向け電子カルテシステムを提供するミニイク株式会社(本社:東京都豊島区、代表:菊地 良太、以下「ミニイク」)と連携し、AIカルテ作成支援サービス「VetAsis」をミニイクの電子カルテと組み合わせた新サービス「VetAsis for ミニイク」の提供を開始しました。
本サービスは、新座どうぶつ病院(所在地:埼玉県新座市、院長:榎本 貴文)他、数病院において、2025年11月から12月にかけて実施した実診療環境下での実証実験を経て、一定の成果が確認されたことから、2026年2月より同院を含む数病院での本格運用を開始する予定です。
獣医療現場では、診療後のカルテ作成に多くの時間が割かれており、書類作業の負担が長時間労働の一因となっています。診療の質を維持・向上させながら、働き方改革や業務効率化を実現することは、多くの動物病院に共通する喫緊の課題です。

新座どうぶつ病院における実証実験の概要(2025年11月~12月実施)
VetAsisの本格運用を見据えた実用性確認を目的として、新座どうぶつ病院において、実際の診療シーンを用いた実証実験(PoC)を実施しました。
実証実験の目的
- 診察中の獣医師と飼い主の対話データにおけるAI音声認識精度の確認
- SOAP要約の精度および、実務での利用を想定した実用性の確認
- ミニイクの電子カルテへの自動入力の運用性の確認
検証方法
- 実診療における獣医師と飼い主の会話をVetAsisが認識し、音声認識およびSOAP要約を自動生成
- 複数の獣医師が、生成されたSOAP要約について実務視点で評価
- ミニイクの電子カルテへの反映を通じた作成負担軽減の評価
実証実験の結果、以下の成果が確認されました。
- 獣医療現場特有の専門用語や話し言葉を含む会話においても、高精度な音声認識性能を確認
- SOAP形式の要約について、診療内容の再現性および妥当性が高く、実務での利用が可能なレベルであることを確認
- 電子カルテへの自動入力の運用による業務効率向上への貢献可能性を確認
獣医師からは、
「そのままカルテの下書きとして使える」
「修正は最小限で済み、カルテ作成の負担が大きく軽減された」
といった評価が得られました。
SOAP要約の実例(AI自動生成)
以下では、実証実験において確認されたAIによるSOAP要約の具体的なアウトプットイメージを示すため、実診療データをもとに生成されたSOAP要約の一例を紹介します。
Joy with Paws合同会社(本社:東京都世田谷区、代表社員:斎藤 功平、以下「Joy with Paws」)およびITF合同会社(本社:東京都千代田区、代表社員:山之内 貴彦、以下「ITF」)、一般社団法人 獣医療サービス研究会(本社:神奈川県横浜市、代表理事:谷田 浩成、以下「VMSF」)は、動物病院向けAIカルテ作成支援サービス「VetAsis」と、ITFが提供する動物病院向け電子カルテ「パトラNeo」との連携を開始しました。
本連携は、既存の電子カルテサービスとのシステム連携を推進するプログラム「VetAsis Alliance」の取り組みの一環として実現したものです。これにより、VetAsisと電子カルテ「パトラNeo」を組み合わせた新サービスの提供を開始します。
サービスリリースに先立ち、すでに電子カルテ「パトラNeo」を利用している上大岡キルシェ動物医療センター(所在地:神奈川県横浜市、院長:山下 智之)においてトライアルを実施し、実際の診療環境での利用を通じて一定の評価を得ています。
電子カルテ「パトラNeo」との連携について
ITFが提供する「パトラNeo」は、動物病院向けに開発された電子カルテシステムで、診療記録、予約管理、会計などの院内業務を一体的に管理し、動物病院の業務効率化を支援します。
今回の連携により、VetAsisが生成した診療内容のSOAP要約を、電子カルテの運用フローに組み込んで活用することが可能となります。
両社は、電子カルテ連携プログラム「VetAsis Alliance」を通じて、動物病院がすでに利用している電子カルテ環境とAIを組み合わせ、診療記録作成業務の効率化と獣医療現場のDX推進を目指します。
上大岡キルシェ動物医療センターでのトライアルを実施
本連携の検証として、電子カルテ「パトラNeo」を利用している上大岡キルシェ動物医療センターにおいてVetAsisのトライアルを実施しました。
実際の診療環境において、診察中の獣医師と飼い主の会話をAIが記録・解析し、SOAP形式で整理することで、診療内容の記録およびカルテ作成業務の効率化の可能性を検証しました。
あわせて、同院で運用されている電子カルテ「パトラNeo」の診療業務フローの中にVetAsisを組み込んで利用できるかについても検証を行い、既存の電子カルテ運用とAIカルテ作成支援を組み合わせた実用的な運用が可能であることを確認しました。これにより、VetAsis Allianceを通じて既存の電子カルテ環境とAIサービスを連携させる取り組みが、実際の診療現場において有効に機能することが確認されました。
トライアルを通じて、AIによる診療記録作成支援の実用性について一定の評価を得ており、今後の導入については院内で検討が進められています。
今後は、カルテ作成時間の短縮やスタッフの残業時間削減など、業務効率化の効果を定量的に評価するとともに、他の動物病院への展開も視野に入れて取り組みを進めていく予定です。
※上記結果は、担当医より「電子カルテの下書きとして十分に使用可能」と評価されました。
新座どうぶつ病院では、実証実験の成果を踏まえ、2026年2月以降に「VetAsis for ミニイク」の本格導入を開始します。 PoC段階にとどまらず、実際の診療フローに組み込んだ運用へ移行する点が本取り組みの特徴です。
今後は、カルテ作成時間の短縮やスタッフの残業時間削減など、業務効率化の効果を定量的に評価するとともに、他の動物病院への展開も視野に入れて取り組みを進めていく予定です。
トライアルに参加された獣医師の皆様からのコメント
上大岡キルシェ動物医療センター 院長 山下 智之 氏
日々の診療において、カルテ作成は一定の時間を要する業務であり、診療後にまとめて記録を作成することが負担になることも少なくありません。当院では電子カルテ「パトラNeo」と音声認識AI「VetAsis」の連携を試用する機会を得ましたが、診察中の会話が記録され、それがSOAP形式の診療記録として整理されることで、カルテ作成にかかる時間の短縮につながる可能性を感じました。
また、診療内容がSOAP形式で構造的に整理されることにより、診断の根拠や治療方針、今後の計画を意識した説明やインフォームを行う習慣が自然と身につく点も印象的でした。これは単なる記録の効率化にとどまらず、獣医師としての診療思考を整理し、臨床判断を言語化するトレーニングにもつながると感じています。さらに、整理されたカルテは院内スタッフとの情報共有の精度を高める点でも有用です。診療内容や治療計画が明確な形で共有されることで、症例理解やチーム医療の質向上にも寄与する可能性があります。臨床現場における記録業務の効率化と診療の質向上の両面において、今後さらに発展が期待できると感じています。
上大岡キルシェ動物医療センター 副院長 石川 洵 氏
初めは音声入力がどの程度対応できるのか不安もありましたが、内容が自動的にSOAP形式に整理されるなど非常に高い精度で文字起こしできる点に驚きました。
診療中のカルテ入力へ割く時間が短くなることで、飼い主さんとの会話や説明により集中できると感じました。結果として診療の効率化や待ち時間の軽減にもつながり、診療スタッフと飼い主さんの双方にメリットがあると思います。
日常診療の負担軽減と、診療の質の向上の両面で、とても可能性を感じるシステムだと思います。
代表者コメント
ITF合同会社 代表社員 山之内 貴彦
今回のVetAsisとの連携により、動物病院の診療現場に新たな価値を提供できることを大変嬉しく思います。
当社の「パトラNeo」は、日々の診療業務に自然に溶け込み、現場の負担を軽減することを重視して開発してまいりました。本連携により、診療中の会話から記録が生成されることで、カルテ作成の効率化に加え、獣医師が診療や飼い主様とのコミュニケーションにより集中できる環境づくりに貢献できると考えております。
今後もAIと電子カルテの融合を通じて、獣医療現場のDX推進と、より良い医療体験の実現に取り組んでまいります。
一般社団法人 獣医療サービス研究会 代表理事 谷田 浩成
日本の動物医療のカルテ音声入力は、いまは「徐々に実用化が進んでいる段階」だと思います。特に最近は、単なる音声入力ではなく、診察中の会話を文字起こし → SOAP要約 → 電子カルテへ取り込むという流れが主流になりつつあり、電カル会社も出揃いつつあります。音声入力により一気に電子カルテが広がる期待が持てると思います。
Joy with Paws合同会社 代表社員 斎藤 功平
このたびのパトラNeoとの連携により、音声認識・SOAP要約によって構造化された診療データが、電子カルテ上でより自然に活用できる環境が実現しました。これにより、診療中の記録からその後の業務までが一貫してつながり、現場の負担軽減と診療品質の向上の両立に貢献できると考えております。
今後も現場からのフィードバックを大切にしながら、獣医師・看護師の皆様が診療に集中できる環境づくりを支えるサービスとして進化を続けてまいります。

